高齢者専門住宅とは、民間の賃貸事業者によって提供されている高齢者を専門に入居させるための賃貸物件です。介護施設の一種とされていますが、似たサービスであるサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームとは異なる点があります。それは、基本的に介護や生活の援助といったサポートは受けられないということです。入居の基準として、食事や排泄や入浴といった日常生活動作が自分の力で出来ることだと定められているからですね。

利用者は大前提として、健康かつ健康寿命を自分で維持管理できる意欲と自制心を持っていなくてはいけません。とはいえ、一部の施設では外注という形で食事の提供や掃除といった生活サービス、入浴や食事の介助などの介護サービスを提供しているところもあります。中には作業療法士により身体機能の回復訓練が受けられるものもあります。それでも注意しなくてはいけないのが、すべての専門住宅がこのサービスを実施しているわけではないということです。

そのため、将来的に疾病などで介護が必要になった場合に不便が生じてしまいます。本人が普段から健康維持に気をつけ、適度な運動や生活リズムのコントロールが出来るのなら問題ありません。入居の準備をする家族が不安に感じる場合は、専門住宅ではなくサービス付きの老人ホームを選んだほうがいいでしょう。入居者の意向と伺う意味でも、家庭内でどの施設が本人に向いているのかまずはしっかり意思確認をする必要があります。